Grids考察シリーズ – これこれこういう経緯でこうなりました:長嶋りかこ編

どうも、フロントエンド/マークアップ/WebデザインをしていますQOOPU.NET(クープ)のテルです。

運営しているデザインポータルサイトGridsをKAI-YOUさんに取り上げていただきました!ありがとうございます!!!
ポータルサイト「Grids」は、デザインの中に隠された図形を可視化する

そんなGridsですが、引いたガイド・グリッドを説明する場をサイト内に作っていません。
ですので「どういう経緯でこうなりました」と説明することもないと思っていたのですが、ふと気がつきました。

ブログがあるじゃないかと!!!

と言うわけで、Grids考察シリーズこれこれこういう経緯でガイド・グリッドを引きましたと言う記事を書こうと思います!

第1回は、みんな大好き!長嶋りかこさんのデザインです。

●長嶋りかことは

元博報堂、現village®のグラフィックデザイナー、アートディレクターさんです。ラフォーレの広告が凄い有名な方ですよね。

公式サイト
Wikipedia
Grids掲載「長嶋りかこ」デザイン

アートディレクタ、デザイナー。1980年茨城県生まれ。2003年武蔵野美術大学卒業後、同年博報堂入社。ラフォーレ原宿の広告をはじめ、キリン「スパークリングホップ」のパッケージデザイン、ロンドンブーツ1号2号のトークイベントのアートディレクション等の他、装丁、ロゴ、サインなどのグラフィックデザインも手がける。また最近は現代美術家の宮島達男氏とともにアートプロジェクト「Peace Shadow Project」を立ち上げるなど、ものづくりの活動の場を広げつつある。現在アクリル作家の俵藤ひでと氏とのコラボでアクリルミラーを制作中、10月28日からROCKETにて発表予定。NYADC賞特別功労賞、東京ADC賞、JAGDA新人賞ほか受賞。

ラフォーレ広告でお馴染みの長嶋りかこ【作品まとめ】

●長嶋りかこは「はずし」のプロフェッショナル

もう、りかこ長嶋は凄いよ!はずしのプロ!りかこ長嶋はずし道!

CIRCLE AND RECYCLE」を例に取って見てみましょう。
(『サイクル/サークル アンド リサイクル』についてはこちら)
img_cc

左右で同じような情報を載せているので 左右対称(シンメトリー)かと思いきや、完全なる左右対称にはなっていません。
CIRCLEとCYCLEのY軸がずれていますし、左右の四角・円ですが正方形・正円に見えますが微妙に長方形・楕円形になっています。
また通常のデザインルールであると「CYCLE」、「CIRCLE」など1単語の中で改行すると可読性が下がるものもあえて改行し、
二行目のLEを少し左のガイドから浮かせています。

img1

LEに少しマージンをもたせているのはバランスの問題だと思いますが、
1単語を改行させている理由はなんでしょう。
「流行により捨てられてしまう服の生地を使って、カタチを変えて、気分のサイクルを楽しむ服を制作」というプロジェクトの内容から、単語を改行し折り返すことで「回す」ことを表現しているのかもしれませんし、ルールからはみ出した新しいプロジェクトの提案という意味かもしれません。

フォントの選定からも、そのテクニックが見て取れると思います。
どちらかと言うと流行りからはずれたフォントを使っています。
特に日本語フォントにおいては、「システムフォント?」と思うほど不思議な感覚になりました。
ですが、それも見る人にそういった感情(ひっかかり)が起こることを予想しての選定だと考えます。

img3

(使用しているフォントが僕の持っているものの中にはなかったので何かは分かりません。
分かる方がいたら、各詳細ページにフォント提案フォームがあるので、ぜひお送りください!)

img2

●デザイン上、はずすことの意味

自然の中に左右対象なものはほとんど存在しません
左右対称はもともと西洋の美意識であり、昔から自然の中に美を感じてきた日本人の美意識は左右非対称であるといわれているそうです。

西洋の美意識が左右対称、いわゆる対称シンメトリーであるのに対し、日本のそれは左右非対称、非対称アシンメトリーであるといわれる。一分の隙もなく完成された左右対称ではなくあえてセンターをはずすことで、完成ちょっと手前の状態にするのが良いとされる。完璧につくってしまえば、あとは崩れてゆくだけでその先がないから。思えばこの「もうちょっと感のある完璧」は、人にも当てはめられるような気がする。隙のない完璧を目指す必要はないし、目指したとしてもどだい無理なこと。「ここがもうちょっとだなぁ」をいくつか抱えながらも凛として、地に足のついた自分でいられれば成功といえるのではないだろうか。人として目指すべきは「日本的完璧」である、」
「岩井國臣のWeb総合窓口「違いを認める文化」と「わび・さび文化」

西洋のポスターなどは完璧な左右対称の哲学でデザインすることで伝わる。
日本では左右対称からはずした方が伝わる、のかもしれませんね。

●まとめ

デザインですから見てくれる人の立場に立ってデザインするということが一番大事ですよね。
日本人のもともと持つ美意識というところまで立ち返らせてくれた「長嶋りかこ」デザインは学ぶところがとても多いです。(こんな凄いデザイン真似してもすぐにはできないけどw)

長嶋りかこさんは、Human_Natureという「人と自然の調和をテーマにしたプロジェクト」を行ったりもしているので、ある意味では日本人本来の美を意識するということは彼女にとって自然なことなのかもしれません

もしネットや街中で「わざとはずしている」デザインを見つけたら、こういったことを意識してみると新たな気づきがあるかもしれませんね。

それでは、また次の記事でお会いしましょう〜
以上、QOOPU.NET(クープ)テル・豊田でした!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加